内田和成「スパークする思考」を読みました



本書では、BCG(大手戦略コンサルティング会社)元日本代表内田氏の思考プロセスが紹介されています。

要するに、「スパークする思考」で内田氏がいっていることは、「分類整理に凝るのではなく、アンテナを伸ばし、見て聞いて読んで考え、人と話すことで思考が熟成され、ある日自分の脳内で思考がスパークする」ということです。


P174に以下のように要約されています。
・問題意識を重視するが、
・いいかげんで
・無理をしない
・情報は放置して熟成させる

ファイリング術やデジタルデバイス活用術のような情報整理術は、労力の割に活用する機会が少ないとして、やんわり否定しています。これも内田氏がありとあらゆる知的生産の技術を試した上での結論であり、説得力があります。

頭の中に関心事項をストックさせ、時と場合に応じて思い出すという作業は、誰でも無意識にやっていることです。たとえば、ラーメンに凝っている時は、ラーメン店を見つけるとすぐに気づきますが、隣にフランチレストランがあっても気づきません。こうして脳内にはラーメン店の情報がストックされていきます。

だれもが自然に情報を脳内に蓄積していますが、コンサルティングとしての職人芸にまで達するには修練が必要です。しかも、脳内で行われている無意識下での活動なので、ノウハウを言葉で説明するのは難しいのです。

この説明が困難なことを解説しようと挑戦したのが本書です。そして、その挑戦はかなりの程度成功しています。成功している理由の一つは豊富な具体的事例です。本書では、内田氏が実際にどのような情報を仕入れ、いったん忘れ、その後どのようにして思いだし、コンサルティングとしてアウトプットしたか、様々なケースが示されています。

内田氏の関心の幅がものすごく広いのに圧倒されます。これをいきなり真似しようとしても、一般人には難しいです。そもそも無理してまねる必要はありません。

内田氏がさまざまな業界に広く関心を持つのは、経営コンサルタントという職業上の必要に迫られてのことだからです。自分の職業や自分の好みに応じて、何を自分の関心事項にするかを決めた方がよいでしょう。

思いついたことや考えたことを、自分の言葉で書くことが大事です。まとまった分量ならブログに掲載してもよいでしょう。短文にしかならない思いつき程度なら、ツイッターでつぶやいておくという手もあります。大事なのは、思いついたことを人の目を意識した文章にするということです。「考えて書く」という行為によって、頭の中のどこかに、書いた事実が記憶として残ります。

紙やデジタルガジェットによる情報整理に行き詰まりを感じていてる人に、とても参考になる本です。


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