棋士羽生氏とヤマト運輸小倉氏の言葉はなぜ普遍的なのか

棋士の羽生氏の「決断力」は、将棋において次に何を指すかを決める能力を高める方法にフォーカスして書いています。将棋という、世の中の大半の人にとっては関係のないことについて書かれているのですが、その言葉は普遍性を持っています。


ヤマト運輸の小倉氏の唯一の著作「経営学」は、日本の物流業界の変遷とヤマト運輸がどのように発展してきたかにフォーカスして書かれてあります。物流以外への一般論は全く書かれていません。それなのに、自分の業界や会社のあり方についてたくさんの示唆を得ることができます。

一方、コンサルタントは様々な事象を取材し、調査したうえで、そこから共通の法則やフレームワークを発見し、普遍性のある本を書こうとします。マイケル・ポーターの「競争の戦略」やピーター・ドラッカーの著作は、この手法で書かれた名著です。しかし、平凡なコンサルタントが書いたフレームワーク本には、おそまつなものが多いように感じます。

書くことを本業としていない人が自分の専門分野を極め尽くしたうえで書く一冊の本は、執筆のプロフェッショナルの本よりもおもしろく、迫力があり、内容が深い傾向があります。これは、プロの文筆家にとっては屈辱的なことでしょう。

力強い言葉を獲得するためには、知識を蓄え文章作成技術やプレゼン技術を鍛えるのではなく、自分の場所で全力を尽くして生きることが一番の方法なのだろうと思いました。


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