これからの有望企業とは?

 前回の記事「就職してはいけない大手企業」では、衰退を避けられない産業に関する私の考えを紹介しました。今回は、これから有望な企業・業種を紹介します。

日本国内のみをターゲットに絞ると、今後は高齢者の増加がビジネスチャンスとなります。高齢者をターゲットにした業種、例えば、医療、レジャー、資産運用、介護・老人ホーム、葬儀などでは、高齢者の増加で市場が拡大します。それぞれ簡単に説明します。

現役時代の不節制や運動不足によって慢性疾患や腰痛を抱える高齢者が増え、彼らは高い頻度で内科、や整形外科に通院することになります。

余暇と資金を豊富に持つ高齢層はレジャーにお金と時間を使います。レジャーの範囲は広く、旅行だけでなく、カメラやビデオ、教養、孫へのプレゼントなども広義のレジャーと言えます。

退職金を手にした高齢者は資産を使いたいと考えていますが、生きているうちにお金がなくなってしまうのは不安です。このような資産の運用と活用のソリューションに対するニーズは大きいです。

介護・老人ホームに対するニーズについては説明は不要でしょう。前回の記事で衰退業種として外食産業を上げました。外食産業大手のワタミグループが老人ホーム事業に参入したのは、衰退産業から成長産業へのシフトのケースとして象徴的です。

高齢者が増えた後は当然死者が増えますので、葬儀の回数も増加します。

この他にも高齢者をターゲットにしたビジネスはいくらでもあります。

ただし、注意しなければならないのは、市場が拡大するイコールその市場に属する企業が安泰、というわけではないということです。拡大する市場には新規参入する企業が現れます。市場の規模以上に新規参入者が増えれば、企業の収益性は低下します。

最も新規参入が難しいのは医療ですが、この分野ですらいつまでも新規参入障壁が高いままとは限りません。今のところ医学部の定員によって医師の供給はコントロールされています。しかし、法科大学院の導入によって供給が増大し収益性が低下した弁護士のような事態が、医師に対して起きないとは限りません。

拡大するマーケットの中で新規参入者が追随できないポジションを確立している(またはこれから確立する)企業には、新商品開発や新規ビジネスの機会が豊富にあります。追い風を背にした企業で面白い前向きな仕事に取り組むことができるでしょう。


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