日銀、地銀にコスト削減加速迫る。地銀からは恨み節も




日本銀行が金融システムレポートで、地銀に経営努力を求めています。
しかし、地銀からの恨み節も聞こえてきそうです。

日経新聞「地銀にコスト削減加速迫る 日銀が試算」

以下は日経新聞からの抜粋です。

日銀は24日に発表した金融システムリポートで、地方銀行の経営維持に必要な取り組みと効果を示した。10年間で経費を1割減らし、融資をはじめとした伝統的な資金運用業務とは異なる経営助言などの利益を1割弱増やした場合、経営改善効果がみられるとした。想定する経費削減は従来の2倍のペースだ。低金利や人口減で経営環境の厳しい地銀に対し、事業改革の加速を促した。

今回のリポートでは、地銀にできる経営努力として人件費や店舗運営費などの経費削減のほか、手数料収入を得る「非資金利益」の拡大を挙げた。具体的には事業承継などの経営課題を解決するコンサルティングや家計の資産形成支援に開拓余地があるという。

レポートの中で日本銀行も認めている通り、この経営努力の難易度はかなり高いです。

企業へのコンサルティングや、家計への資産形成支援からの手数料収入で1割増益せよといいますが、1割増益するには相当な規模の案件を開拓しなければなりません。

企業コンサルティングの案件をそんなに大量に受注できる人は、マッキンゼーなどの コンサルティング会社、もしくはプライベートエクイティ・ファンドやM&A助言会社に転職するでしょう。

家計の資産形成支援とはつまり、個人投資家に金融商品を販売する仕事です。大量に 金融商品を売りさばく営業力を持っている人は、外資系証券に転職するでしょう。

地銀が収益力を回復する一番手っ取り早くて確実な方法は、金利を上げることです。 金利さえ上がれば、地銀は貸し出し業務から十分な利益を得られます。

金利が低いのは、日銀のマイナス金利政策が原因です。

マイナス金利で地銀の収益源を奪っておきながら、その日銀が、地銀に難易度の高い経営努力を求めている、というのが今回の日銀レポートです。

地銀の方々からすれば、「マイナス金利さえやめてくれれば、、、」という恨み節が聞こえてきそうです。

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