全部で600ページ程度ありますが、読みやすい英語表現と息をつかせぬストーリー展開のおかげで、あっという間に読めてしまいます。
孤独な主人公、トラヴィスが世をはかなんで森をさまよっていたところ、一頭の並外れた知能を持つゴールデン・レトリーバーに出会い、アインシュタインと名付けるところからストーリーがはじまります。
ネタバレになるのでこれ以上ストーリーを書くのは省きます。主人公のトラヴィスとアインシュタインだけでなく、脇役や悪役も魅力的です。そして、物語を通して、すべてのキャラクターが成長・成熟していく様が見事に描かれています。
シドニー・シェルダンばりのジェットコースター・ストーリーを展開させつつ、これだけ深く人物を描写し、しかも最終章の大団円を感動的かつユーモラスにしめくくるという神業をやってのけます。ラストシーンでは読書は泣き笑いせずにはいられません。
完成度の高さは神懸り的で、作者本人もあとがきて認めているとおり、この作品がDean Koontzの最高傑作でしょう。
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