御立尚資「使う力」


今回は、面白かった本を紹介したいと思います。


御立氏は、戦略コンサルティング会社では、マッキンゼーと双璧を成すボストン・コンサルティング・グループの日本代表を経て、現在はいくつもの企業の社外取締役を務めています。

ビジネスパーソンの中には、経営理論や、プレゼン、ロジカルシンキング、コーチング等さまざまな情報があふれる現在、「もっと勉強しなくては」と強迫観念を持つ方も多いかと思います。

そのような中、本書は「勉強はきりがない。勉強した成果を実際に使おう。」と主張しています。

いろんな資格の2級レベルを取りまくっている人は是非一度読んでみて、「自分は何をしたいのか。自分の仕事上の目的は何か」を考え、「その目標達成のために自分に必要な勉強は何なのか」を見つめなおすことをお勧めします。

自分の目的や課題がはっきりしている人には物足りないないようかもしれません。全業種、全職種の人々に向けて書かれてあるため、内容が汎用的、一般論的にならざるを得ないためです。

この本を読んで、「使う力」の一般論を身につけ、あとは自分の会社の尊敬できる先輩の仕事ぶりを真似して、自分の属する業界・会社特有の「使う力」を身につけるというのが、自然な使う力の向上法でしょう。


私が特に参考になったのは、やみくもに勉強等の努力をするのではなく、まず目標を設定し、現状を把握し、そして現状と目標の間のギャップを埋めるには何をすればよいかを考えて初めて行動を起こす、という点です。わかっていはいても、つい忘れてしまうポイントです。

また、「ミーティングやスピーチの前に言いたいことを5~7つに絞込み、それをA4一枚に一行ずつ箇条書きすることで自分の意見を結晶化する」というのも参考になりました。自分と関連性の薄い分野に関するミーティングについては、つい無防備のままミーティングに参加し、まったく発言しないまま、ということもありますが、

著者曰く、「会議は付加価値を生み出すために行うのであって、参加者にはそれが義務として課せられている。それなのに何の準備もせず会議に出席するなら、その人は義務を果たすことを放棄していると、私なら判断する。」とのことです。

ミーティング前には自分の言いたいポイントを箇条書きでまとめ、発言し、さらにミーティングが終わった後はミーティング結果を箇条書きでまとめ関係者へ伝える、ということを繰り返すだけで、ポイントを捉えて発言するスキルが身につき、さらに自分の仕事に関する重要ポイントがしっかり頭に入ります。これは是非実践したいと思います。


第1章 ビジネスリーダーの基本要件

第2章 「使う力」とは何か
1 わかったようでわからない「使う力」
2 目指すべき目標から「使う力」を考える
3 入り口となるスキル群から「使う力」を考える

第3章 企画という仕事と「使う力」
1 仕事はすべてが「企画」である
2 「企画力」を構成する五つの要素
3 企画力「五つの力」を鍛える

第四章 人を動かすコミュニケーションと「使う力」 - 戦略的コミュニケーション術・会議術
1 コミュニケーションの基本は「意見の結晶化」
2 相手を動かし、行動に移してもらうための「使う力」
3 会議での「使う力」の鍛え方

第五章 「楽しむ」ビジネスライフのすすめ
1 「楽しむ」ことが成果につながるこれだけの理由
2  「勉強」を楽しむための私の方法
3 これからリーダーになっていきたい人へ

お読みいただきありがとうございました!
よろしければランキング応援クリックをお願いします。
↓↓
【英語ブログランキング】

↓↓ツイッターはじめました。フォローいただけると嬉しいです!
https://twitter.com/tabbycat111

コメント