内田和成「プロの知的生産術」



プロの知的生産術 BCG前日本代表が教える情報活用の秘訣 (PHPビジネス新書)を読んで刺激を受けたのは、「デジタル化によって、情報収集術や情報整理術は、もはや必要でなくなった」と喝破した点です。

PCやスマートフォンによる知的生産技術を解説する本や雑誌は数多く出版されています。ネット上にもその手の情報は数多く公開され、さかんに情報交換されています。

しかし、公開されているノウハウの多くは、今まで紙媒体でやっていたことを、デジタルに置き換えただけの物が多いように感じます。


「知的生産の技術とは、情報収集や整理などのインプットの技術である」という呪縛から抜け出せていないのです。梅沢忠夫の「知的生産の技術」のデジタル・バージョンというものがほとんどです。


今や、情報収集や情報整理の技術に習熟しても差別化要因にはなりません。情報カードの書きためや、新聞のスクラップは、時間の無駄です。

カード書きやスクラップは、やっていると充実感を得られますが、実際にアウトプットに活用されるケースは非常に少ないのが現実です。デジタル化してもその事実は変わりません。

今はカードや切り抜きで情報をためこまなくても、インターネットで検索すれば瞬時に情報を集めることができます。使うかどうかわからない情報をせっせと収集し整理するのでなく、アウトプットするときに必要な情報をささっとかき集める方がはるかに効率的です。

ネットで検索してコピペを貼り付けるだけでも、見栄えの良いアウトプットを作ることができますが、今では誰もがそんな技術を習得しています。差別化を図るためには、アナログの活用と、脳の活用が効果的です。

情報収集、情報整理、アウトップット、というプロセスの全てをデジタルで完結させるのでなく、このプロセスの一部分をアナログにするのです。特に、情報収集の段階をアナログ化するのが差別化戦略としてもっとも簡単かつ効果的です。

たとえば、ネットというデジタル媒体から情報収集するのでなく、自分自身の体験や人との会話などの現場から情報を集めるのです。

自分自身の生々しい体験は、あなただけしか得られない情報です。誰にも生み出すことのできない、あなただけの付加価値です。

本書には、自分だけのアナログな実体験から生まれる情報や洞察を逃さず補足する技術やツールが紹介されています。本書を読み実践すれば、あなたは自分だけにしかできないアウトプットを次々と生み出すことができるようになるでしょう。

プロの知的生産術 BCG前日本代表が教える情報活用の秘訣 (PHPビジネス新書)

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