ショーペンハウエル「読書について」を読みました

ショーペンハウエル著「読書について」は、読書好きな方なら苦笑、微笑、爆笑、時には「うーむ」とうなりながら読めることうけあいの本です。

ハッとさせられた頁に付箋をはってたら付箋だらけになってしまいます。

「読書とは他人にものを考えてもらうことである。一日を多読に費やす勤勉な人間はしだいに自分でものを考える力を失ってゆく。」本書の表紙にこう書いてあるとおり、本を読だけでなく、自分で考えろ!と主張する本です。
 
「良書を読むための条件は、悪書を読まぬことである。 人生は短く、時間と力には限りがあるからである。」

「頭は空の連中が空の財布を満たすため、書きなぐりに励み、その結果、出版図書のほとんど九割までが悪書駄作の始末である。」

「低劣な著作家の大多数は、新刊書以外は読もうとしない民衆の愚かさだけをたよりに生きているにすぎない。すなわち彼らの名はジャーナリスト。適切きわまる名前ではないか。これをドイツ語で訳すと日給取り。」

まるで今の出版業界を予測していたかのようです。

「もともとただ自分のいだく基本思想にのみ真理と生命が宿る。我々が真の意味で充分に理解するのも自分の思想だけだからである。書物から読みとった他人の思想は、他人の食べ残し、他人の脱ぎ捨てた古着にすぎない」

「紙に書かれた思想は一般に、砂に残った歩行者の足跡以上のものではないのである。歩行者のたどった道は見える。だが歩行者がその途上で何を見たかを知るには、自分の目を用いなければならない。」

ショーペンハウエルが指摘するとおり、読書量の割に知性の感じられない人は存在します。「毎月ウン十冊読んでいる」とか豪語してるのにワンパターンな本しか書かないビジネス本作家とか。

でも本書を読んで、「ああ、そうだな、これからは本を読むのを控えて自分の頭で考えることにしよう」と思った人は要注意です。それこそ自分で考えず、ショーペンハウエルに考えてもらった結果です。

ショーペンハウエルは読書を否定しているわけではありません。悪書を避け、良書を熟読し、その後自分でも熟考することが大切と説いています。

あれ、私もショーペンハウエルに考えてもらってますね。。。

なにはともあれ、本書は繰り返し読み熟考するに値する良書です。活字中毒の私は、年に1,2回本書を読み、読書・情報収集と思索の時間配分を考えるようにしたいです。

本を自炊し数百冊の本を電子書籍端末で持ち歩き、グーグルリーダーで毎日数千のニュースやブログを読み、ツイッターで知人や有名人のつぶやきをフォローし、、、という具合に、現代は情報摂取にとても忙しい時代です。今こそ注目されるべき本だと思います。


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