「今すぐできる「戦略思考」の教科書」を読みました。
世の中に「コンサルティング・セールスを実践している」と称する会社はたくさんありますが、自社製品の良さをロジカルにアピールする程度で、お願い営業に毛が生えた程度が実態のように思います。
「今すぐできる「戦略思考」の教科書」著者の筏井哲治(いかだい・てつはる)氏は、コンサルティング・セールスを本当に実践し自力で方法論を確立した人です。その結果マイクロソフトで優秀な営業成績を収め、同社のトッププレゼンターになるという快挙を成し遂げています。
著者がコンサル本や戦略本を読み、実際のビジネスで試行錯誤を繰り返すことで得たコンサルティング・セールスのノウハウを解説しています。この本は「買い」だと思います。特に、顧客へプレゼンテーションし契約を獲得するタイプの仕事をしている人にお勧めです。
報連相(報告・連絡・相談)の解説から始まり、ロジカルシンキング、アトリビュート分析、ポーターのFive Forces、PEST分析、リデル・ハートの戦略論、ビジネスプレゼンテーションと交渉の方法、プレゼンテーションの振り返り、成果を出すチーム運営法などなど。
内容は多岐にわたりますが、全ての項目は一貫してセールスで成果を出すという目的に集中しています。膨大な書籍から知見を得て、一つのシンプルなセールス・プロセスを完成させたのは見事としか言いようがありません。
特に印象に残ったのは、超有名なPDCA(Plan Do Check Action)プロセスを役に立たないと切って捨てているところ。著者も上手く回すことができなかったし、上手く回っているのを見たことがないとのこと。これは真剣にPDCAに取り組んだ著者だからこそ言い切れることです。
著者はPDCAの替わりにEAチェーンを提唱します。Experiment(実験)とAdapt(適用)をグルグル回す。完璧な計画を立てようとするのでなく、ブレインストーミングによって思いついたたくさんのアイデアや工夫の中から、みんなが面白いと思ったものをとにかく実行してみます。まずは小さなチームで実験します。実験は成功しても失敗しても、何らかの学びを得られます。成功した場合は今後も使い続け、他部署にも活用の範囲を広げていきます。
この他にもアトリビューション分析が紹介されています。私はこれをはじめて知りましたが、かなり使えて面白いです。著者の筏井哲治(いかだい・てつはる)氏による解説動画がありますので、下にリンクを貼っておきます。是非ご覧ください。筏井氏なかなかのイケメンです。
著者は、マイクロソフトという厳しい外資系企業で働き、法人向けソフトウェア販売というレッドオーシャン化した市場で抜群の営業成績を収めました。こういう人の話を聴く機会はめったにありません。機会があったとしても、それまでの経験全てを聞きだすことは不可能です。
本書によって、著者の5年間全てを凝縮させた話を読むことができます。
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