もし、中国や米国の製品が、日本国内で無料で配られたら、日本企業は壊滅的ダメージを受けるでしょう。
中国製の衣服が無料で配られれば、日本国内のアパレルメーカーや衣服店の多くは潰れます。タダで服がもらえるのに、わざわざお金を払って服を買う人などいないからです。
アメリカ産の牛肉やトウモロコシが無料で日本国内で配られれば、日本国内の食肉業界やトウモロコシ農家は絶滅するでしょう。タダでもらえる食料があるのに、お金をはらって肉や穀物を買うような酔狂な人はいないからです。
上記は荒唐無稽な話に思えるかもしれませんが、実際にアフリカなどの貧困国で起きている事です。
貧困国には、食料や衣服、薬品など大量の援助物資が送られています。
この無料の援助物資が、貧しい国での産業の発展を邪魔しているのです。タダで手に入る物があるのに、穀物を栽培し販売しても売れるわけがありません。援助物資は、貧困国の産業をおこす意欲を奪っているのです。貧困国で発達するのは、政府幹部が援助物資を横流しするブラックマーケットだけです。
援助物資は、「無料」という究極の価格破壊を貧困国にもたらしています。しかも、貧困国の市場でなく政府に提供されるため、物資の横流しなどの汚職の温床となっています。
貧困国に必要なのは援助物資ではなく、産業を育成するための資本と教育です。援助物資は自立を妨げるだけでなく、「自立しない方が効率的である」というインセンティブを与えてしまっています。子供が甘やかされてダメになるのと同じです。そのため長年先進国の組織や慈善家によって援助されているにもかかわらず、いや援助されているからこそ、貧困国は貧しいままなのです。
ジム・ロジャースの「世界バイク紀行」には、ロジャース氏がバイクにまたがり世界を一周したときに見た貧困国の様子が描かれています。まったく舗装されていない道路を政府高官のベンツやBMWが走る風景など、現場で見た人でないとできない描写が豊富にあり、いかに経済援助がアフリカ諸国の経済を停滞させ汚職を蔓延させているかよくわかります
橘玲氏の「不道徳な経済学」では、経済援助がいかに逆効果を生んでいるかを、リバタリアニズムの視点から論理的に説明されます。そのほか、幼児労働の禁止や最低賃金法が、幼児や低賃金労働者をさらに貧しくさせる理由が論じられています。逆に、麻薬や売春の合法化など、一見悪い事が社会にもたらすメリットが紹介されています。
この2冊に共通するのは、自由経済や市場経済を追求することが人々を豊かにする、ということです。自由市場経済に生きる私たちにとって必読の本です。
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