楽で給料が高い仕事に就く方法


私は学生時代、アルバイトで工場労働をしたことがあります。半日パンを作り続ける仕事でした。つぎつぎとベルトコンベアの上を流れてくるパンをトレーに乗せ次の機械に流し込んだり、形の悪いパンをより分けたり、という仕事です。夕方から深夜3時くらいまでのシフトだったと思います。時給がよかったので選んだシフトでした。夜が明けていく中、原チャリにまたがってフラフラと帰途につくとき、紫色の夜明けが綺麗だったのを思い出します。私が作ったパンは朝一番にコンビニに届けられ、誰かの朝食になるのです。

たった一週間でしたが、クタクタになりました。「もうこれ以上はできない!」と心底思いました。仕事中、班長さんが部下の社員さんに「おい!何年この仕事やってんだよ!間違うな!」と叱っているのを聞いて、「何年もこの仕事をしているのか!なんという根性の持ち主だ!」と驚愕したものです。班長さんは、さらにその上を行く人物だということです。彼らのような根性を持ち合わせていないことに落ちこみました。それ以来、コンビニでパンを買うとき、パンを作ってくれた人に感謝しています。

よく、大学時代のアルバイトは家庭教師だけ、という人がいます。受験勉強で得た知識を生かせて時給も高いので、正しい選択です。でも、いろんな仕事をやってみるべきです。どの仕事がどれくらいきつくて、どれくらいの給料をもらえるのか、身を持って知ることができます。これ以上の社会勉強はありません。

コンサート会場の設営や、引っ越しの助手、ガードマンなどいろいろやりました。なんだか肉体労働ばかりですが。

その結果、私が到達した結論は、「仕事のキツさと給料の額に比例関係は存在しない」ということです。仕事は、キツければ給料が高いというわけではないのです。

給料の額は、仕事のキツさで決まるのではなく、労働力の供給(仕事を探す人)と、需要(人を雇う会社)のバランスで決まります。どんなにキツかろうが、その仕事に応募する人の数が多ければ、雇う側は安い給料しか払わなくても十分な労働力を確保することが出来ます。

反対に、その仕事をできる人の数が限られている場合、会社は高い給料を提示しないと労働力を確保できません。仕事を出来る能力をもつわずかな人を、多くの会社がとりあうからです。

そのため、「だれでもできる仕事」は給料が安く、「特殊な能力がないとできない仕事」は給料が高くなるのです。

いま、でじたる関連人材が不足しています。IT企業だけでなく、一般事業会社も過酷な人材獲得競争を繰り広げています。これは、デジタル人材が限られていて、しかもその仕事に対する需要が莫大に大きいから起きる現象です。

医者や弁護士の収入が高いのも、需要と供給の原理によるものです。医学部を卒業したり、司法試験に合格した人材の数が限られているため、収入が高くなるのです。

ただし、弁護士については、法科大学院が設立されたことでハードルがひくくなり、司法試験合格者が増えてしまいました。そのため、司法試験に合格しても弁護士事務所に入れない、事務所を自分で開業しても儲からない、という状況になっています。これは労働力の供給が増えてしまったために市場価値が下落してしまった典型的な例です。

一方、医者については、全国の大学は医学部合格者数の合計をコントロールしているという話を聞いたことがあります。医学部の人はさすが理系で、需要と供給を計算して自分たちの高い市場価値を維持しているというわけです。

楽で給料が高い仕事に就く方法は、もう皆さんお分かりでしょう。誰でもできる仕事に就いてはいけません。逆に、需要がたくさんあるのに、その仕事を出来る人材がいない、という職種を見つければよいのです。そして、その職に就くために、勉強やトレーニングで能力を身につけるのです。

最後に、念のため申し上げておきますが、私は「職業に貴賤はない」と考えています。どんな仕事も社会を支えるために必要な、大事なものです。ただ、職種によって需要と供給のバランスは全然違っていて、収入にも大きな違いがあるという事実をつたえたかっただけです。就職や転職をしようとしている方々のご参考になりましたら幸いです。


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