「仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法」を読みました。
MECE、ロジックツリーなどの思考のフレームワークは、昔BCG(ボストン・コンサルティング・グループ=大手外資系戦略コンサルティング会社)が開発しました。フレームワークはBCG門外不出のノウハウとして顧客以外の社外に知らされることはありませんでした。
しかしその後、BCGは、フレームワーク自体に価値はなく、その使いこなし方に価値がある、と考えを変え、フレームワークを一般に公開しました。そしてフレームワーク思考の手法は一般に知られるようになったのです。
フレームワーク思考を解説する本は、書店にたくさんあります。メジャーなフレームワークを知っておくことは、ビジネスマンにとって必須です。しかし、「フレームワークを知っている、使える」というだけでは不十分だと認識しておく必要があります。
なぜなら、フレームワーク思考は、ほんとうは「思考」とはよべないからです。フレームワークをつかってやっていることは、マス目を埋めたり並び変えたりしているだけです。「思考」というよりも「作業」に近いものです。
真の「考える」という行為は、縦横4マスのフレームワークにはまるようなものではなくて、もっと不定型で、流動的で、つかみどころのないものです。なんだかよくわからないものとの格闘を長い間続けて初めて、自分がなにを考えていたか整理され言葉なり図なりで表現できるようになる。そこに行き着くまで考える。これが考えるという行為です。
BCGの元日本代表である内田和成氏は著作の中で、上記のようなことをもっと洗練された分かりやすい文章で書いています。内田氏のような優れたコンサルタントは、このようなカオス的な思考のノウハウですらも整理してみせる力量を持っています。
一方、コンサルティング会社をプロジェクトマネージャーくらいでやめてしまった人が書く本には、フレームワークの羅列どまりのものが多く見受けられます。たいてい「私はマッキンゼーで何万枚ものフレームワークを描いてきた」みたいな書きだしで始まります。それはそれで大変な仕事ではあるのですが、フレームワークを使いこなすことに満足するにとどまってしまい、「守破離」ができなかったところに、彼らのコンサルタントとしての限界点があったのだろうと感じます。
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