※当記事は2009年2月11日に作成したものです。
FT.comより、China to stick with US bonds(中国、米国債投資を堅持)という記事の紹介です。
China to stick with US bonds
By Henny Sender in New York
Published: February 11 2009 23:33 | Last updated: February 11 2009 23:33
China will continue to buy US Treasury bonds even though it knows the dollar will depreciate because such investments remain its “only option” in a perilous world, a senior Chinese banking regulator said on Wednesday.
(語彙)
US Treasury bonds:米国債、米財務省証券
Depreciate:価値が下がる
Perilous:危険な
Banking regulator :金融当局
(和訳)
中国は、米ドルの価値が今後下がると知っているとしても、米国債を買い続けるだろう。なぜなら、今の危険な世界において、米国債への投資は中国にとって依然として「唯一の選択肢」だからだ――と、中国金融当局幹部が水曜日に語った。
(コメント)
中国は日本を追い抜いて、米国債の最大保有者となっています。中国が、米国財政の最大の支持者になっている格好です。米国は景気対策や金融安定化のためにさらなる財政赤字と国債発行が不可避であるため、米国にとって中国や日本は米国債の買い手としてとても重要です。一時は、米国が「中国は為替操作をしている」と発言したこと等により、中国が米国債保有を減らすのではないかと危惧されました(過去記事「米国は中国元に対しより厳しい態度へ」を参照ください)。
今回紹介した記事では、中国は「米国債を買い続ける」と表明しています。これは、米国政府の資金調達懸念、ドル暴落懸念が緩和する材料といえるでしょう。
しかし、「他に選択肢が無いから米国債を買い続ける」というのが本当だとすれば、危険な香りもただよいます。
ひょっとしたら今は、米国債バブルが発生している真っ最中なのかも知れません。このバブルをさらに膨らむのか、それとも破裂するのかは、中国政府次第ということになります。中国がこの両刃の剣とも言える外交カードをどう使ってくるのかが気になります。
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