野村ホールディングス56億ドルの増資

 ※当記事は2009年9月29日に作成したものです。


野村證券の増資が、WSJにも取り上げられています。

まず、第一報がこれ。

SEPTEMBER 25, 2009, 11:33 A.M. ET

Nomura Plans $5.6 Billion Share Sale

BY ALISON TUDOR 

TOKYO -- Nomura Holdings Inc. plans to raise as much as 511 billion yen ($5.6 billion) to bolster its domestic and overseas operations by selling new shares next month.

(和訳)

野村、総額56億ドルの株式発行を計画

野村ホールディングスは、総額最大511億円(56億ドル)の増資を計画している。国内および海外業務の拡大のため、来月にも新株を売り出す。


翌日の第二報。当然、野村の株価は急落しました。

SEPTEMBER 26, 2009

Nomura Pulls Tokyo Down 2.6%

A WSJ NEWS ROUNDUP

Japanese stocks slid Friday as Nomura Holdings stock incurred its worst percentage drop in decades, a day after announcing a $5.6 billion share offering.

(和訳)

野村株下落し、東京株式市場は2.6%の下落

56億ドルの増資を発表した翌日に野村ホールディングス株が数十年ぶりの下落幅を記録したことが足を引っ張り、日本株式市場は金曜日下落した。


そして次が先日の報道です。

SEPTEMBER 28, 2009

Nomura Tests Investors' Patience

BY ANDREW PEAPLE AND MOHAMMED HADI

Justifying a planned $5.6 billion capital raising, Nomura Holdings offered up a long list of needs: from investment in technology in Japan to an Islamic finance business in Malaysia, as well as more spending on its European and U.S. businesses.

(和訳)

野村、投資家の忍耐強さをテスト

56億ドルの増資を正当化するため、野村ホールディングスは資金を必要とする事業を羅列した長いリストを発表した。リストには、日本でのテクノロジー関連投資やマレーシアでのイスラム金融事業、そして欧米事業への投資などがあげられている。


企業が増資すると株価が下がる現象については、簡単な算数で理解できます。

たとえば、毎年利益を100万円稼ぎ、この全額を株主に配当として支払っている会社があったとします。

この会社がすでに100株の株を発行していたとすると、1株当たり支払われる配当金は1万円(=100万円÷100株)です。

ところが、この会社がさらに100株の株を発行したとします。

すると、発行されている株は合計200株となり、利益100万円を200株に分配することなります。

すると、1株当たりの配当金は5千円(利益100万円÷200株)となります。

1株当たりの受取配当金が半減してしまうのです。これでは、株価は半額まで下落して当たり前です。

では、株価を下げないためには、この企業はどうすればよいでしょうか。

答は、「今までの倍の200万円の利益を稼ぐ」です。

株式を発行し手に入れた資本金を元手に、ビジネスを拡大し、倍の収益を稼げばよいのです。

そうすれば株を発行した後でも、1株当たりの利益や配当金は変わりません。

さて、今回野村ホールディングスが増資を発表したとたんに、株価が急落しました。

これは、投資家が「野村ホールディングスは株を発行して手に入れたお金を有効活用できないだろう」と判断したのが原因です。

これに対し、野村ホールディングスは、「私たちは株を発行して得たお金をこんなに有意義に活用しますよ」と、長い事業計画リストを公表した、という訳です。

株式市場に株を発行し資本金を受け取る、という行為は、とても大きな責任を伴います。


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