貧すれば鈍する外資企業

 ※当記事は2009年8月4日に作成したものです。


外資金融機関の日本オフィスでは、レイオフが続いています。

昨年までは、バックオフィスやミドルオフィスの人員削減がメインだったのですが、

最近は、日本オフィスの稼ぎ頭であったような有名な方が退社されている例が目立ちます。

「えっ?あの人切っちゃったの?」というようなケースです。

花形だった部門を縮小したり、もしくは部門をたたんでしまったりする際に、このようなキーパーソンが解雇されているようです。

このような状況をみると、外資金融機関にとって、「ビジネスの舞台としての日本の魅力が落ちている」と感じざるをえません。

これからも、日本オフィスを縮小、撤退させる外資が増えそうな気がします。

ビジネスですから、部門縮小や撤退は起こりうることです。

外資は慈善事業をやりに日本に来ているのではなく、儲けに来ているのです。

「日本は儲からない」と判断すれば、撤退を決断するのは当たり前のことです。

外資の日本オフィスで働く者としては、この点は常に肝に銘じておかなければなりません。

もし、私が勤める会社の本国本社が日本オフィス撤退を決めたとしても、それが合理的判断であれば、私は会社を責める気にはなりません。

しかし残念なことに、日本オフィスのビジネスが厳しくなっている現在、がっかりさせられるケースを見聞きすることがあります。

日本オフィスの撤退を恐れるあまりか、収益をあげることを焦り過ぎて、日本顧客に対して不誠実な行為をとっているとしか思えない例があるようなのです。

外資の日本オフィスで働く日本人が、外国本社へ利益を上納するために、日本人顧客をだましている・・・

これが本当だとしたら、許されるものではありません。

日本人顧客に対し誠意あるサービスを提供し、相応の対価をいただき、本国本社に収益をもたらす。

このようなwin-win-winリレーションシップの構築こそが、外資企業の日本オフィスで働く人間の存在意義だと思います。

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