日本から不良債権がなくなる!?

 ※当記事は2009年10月8日に作成したものです。

日本の銀行から、不良債権がなくなるかもしれません。

Kamei Says Moratorium Won’t Increase Japan Bad Loans

By Finbarr Flynn, Takahiko Hyuga and Shingo Kawamoto

Oct. 6 (Bloomberg) -- Japanese banks’ bad loans won’t be driven higher by a proposed moratorium on debt payments by struggling small companies, said Financial Services Minister Shizuka Kamei.

Lenders won’t have to classify loans encompassed by the plan as non-performing, Kamei, 72, said in an interview yesterday at his office in Tokyo. That means they won’t be forced to boost provisions when borrowers postpone repayments of interest or principal, he said. At the same time, Kamei vowed to push banks to extend more credit to small businesses after bankruptcies hit a six-year high in Japan.

“We’re going to get financial institutions to provide these firms with more loans,” said Kamei. “Banks won’t have to treat debt on which they provide a moratorium as bad.” (和訳) 

経営難に陥っている中小企業の債務返済を猶予しても、日本の銀行の不良債権は増えないだろう、亀井静香金融・郵政改革担当相は語った。

銀行は、返済猶予した貸付金を不良債権に分類する必要はない。亀井氏(72)は先日のインタビューで語った。これは借り手が金利や元本の支払いを遅らせたとしても、貸し手の銀行は貸倒引当金を計上する必要がないということだ、と彼は言った。現在、企業倒産件数は過去6年で最高の水準に達しているが、亀井氏は、中小企業への融資を増やすよう銀行に働きかけると明言した。

「我々は、中小企業に資金を提供するよう金融機関に働きかけるつもりだ。」と亀井氏は言う。「銀行は、返済を猶予した貸付金を不良債権として扱う必要はない。」


一見、お金に困っている中小企業を助けるとても良いアイデアのように見えます。

しかし、このアイデアには危険がいっぱいです。

お金を返せない企業に貸したお金を、銀行は不良債権として計上する必要がなくなるのです。

これを杓子定規にとらえれば、日本中の銀行から不良債権は消えてなくなるでしょう。

日本の銀行のバランスシートはピカピカになります。

当然、これは実態とは異なるわけです。誰も「不良債権ゼロ」という銀行の財務諸表を信じなくなるでしょう。

これまで時価会計の導入などによって進めてきた、財務情報の透明化、という流れとは正反対の動きです。

モラルの低い銀行員と、ペーパーカンパニーを作る程度の知恵のあるヤ○ザな人が協力すれば、いくらでも銀行からお金を引き出すことができそうです。

これから、日本版サブプライムローンが発生しそうな気がします。

「銀行の融資姿勢が積極化!」

「中小企業の資金繰りが改善!」

「銀行の財務体力が向上!」

こんな記事が新聞に出てきたときが、次の日本の「中小企業サブプライムローンバブル」が崩壊を始めるのかもしれません。

最近暗い話題ばかり取り上げています。申し訳ないです。

暗いニュースが多い時には、自分と向き合い、コツコツと自分に投資するのが一番です。

私が朝の通勤途中に通り過ぎるスターバックスでは、20半ばくらいの若いサラリーマンの方々が、TOEICや私の知らない分野の勉強を一所懸命にされています。

こんな無言の努力家達の姿を見ると、私もとても刺激を受けます。


コメント