米ウォルト・ディズニー・スタジオのCEOが辞任

 ※当記事は2009年9月21日に作成したものです。

米ウォルト・ディズニー・スタジオのCEOクック氏が辞任するとのこと。


Cook to Quit as Chairman of Disney's Studios

BY ETHAN SMITH

Dick Cook, chairman of Walt Disney Co.'s financially troubled movie-studio operation, said he is stepping down "effective immediately," according to a statement the company issued Friday.

Despite Disney's strong brand and fabled history in family entertainment, Walt Disney Studios' finances have slipped in recent years. In contrast with the consistent success of Disney's Pixar Animation unit, many costly Disney Studios productions have proven to be commercial disappointment.

(和訳)

金曜日に発表された声明によると、ウォルト・ディズニー社の映画部門の会長兼CEO、ディック・クック氏が「事実上今すぐに」辞任すると述べた模様。

ディズニーの強固なブランド力、そして家族向け娯楽ビジネスでのこれまでの伝説的な成功にもかかわらず、最近のウォルト・ディズニー・スタジオは財務状況を悪化させてきた。ピクサー社(ディズニーが買収した企業)のアニメーション部門の成功とは対照的に、映画部門であるディズニー・スタジオの多くの作品は制作費等のコストが高く、商業実績が芳しくない。


ディズニー映画って、儲かっていないんですねえ。

ディズニー映画のビジネス手法は「大規模資本投入、大規模回収」型です。巨大資本があってはじめて実現可能な、いかにもアメリカらしいビジネスです。

ディズニー映画は新作が数ヶ月上映される前から、その映画のテレビコマーシャルが流れ、キャラクター関連グッズがおもちゃ屋に並び、タイアップ商品のお菓子がスーパーに並び、、、という風に徹底的なプロモーションが行われます。

これらのプロモーションによって、子供たちの脳内には主人公キャラクターを刷り込まれ、映画封切当日には子供たちが行列を作る、という仕掛けです。

映画公開後しばらくすると、今度はDVDが発売されます。映画を見た人も見なかった人もDVDを購入します。

こうして、ディズニー映画の主人公をあしらった帽子やTシャツを身にまとい、ディズニーキャラが印刷されたパッケージの中の菓子やマクドナルド・ハンバーガーを食べ、映画やDVDを見る、という子供たちがうじゃうじゃ発生するわけです。しかも世界中で。

こんな巨大なスケールで商売できる会社は、他にはそう多くはありません。

しかし、このビジネス手法ではコストが莫大にかかるのも事実。

映画は売上の変動が大きいので、世界規模で発生させた費用を、収益で回収するのは簡単ではないのでしょう。

同じグローバル企業でも、売上の変動が小さいコカ・コーラやマクドナルドの方が、費用収益管理はまだなんとかなりそうです。

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