※当記事は2009年9月26日に作成したものです。当時は先進国がリーマンショックの後遺症で苦しむ中、中国の躍進が目立っていました。今では中ロと西側諸国の関係緊張で様相は変化しています。
世界的投資銀行の一つ、HSBCが本社をロンドンから香港へ移すようです。
WSJでは次のように報道しています。
SEPTEMBER 26, 2009
Chasing Chinese Growth, London-Based Bank Puts CEO's Main Office in Hong Kong
BY JONATHAN CHENG AND ARIES POON
HONG KONG -- Who says you can't go home again?
HSBC Holdings PLC said it will return the principal office of the group chief executive to Hong Kong, a small but symbolic gesture that highlights the rising importance of the U.K. bank's business in Asia for its growth -- particularly in China, where it hopes to list its shares.
CEO Michael Geoghegan will relocate to Hong Kong in February, the bank said, though HSBC Holdings itself will remain domiciled in the U.K. for tax purposes and has no plans to move.
(和訳)
HSBC、「H」を強調する方向へ転換
中国の経済成長を追い、イギリス系銀行がCEOオフィスを香港に設置
HSBCホールディングスはCEOオフィスを香港へ戻すと発表した。小さな一歩であるが、イギリス系銀行にとってアジア―特に中国―ビジネスが重要であることを示す象徴的な出来事である。HSBCは中国株式市場での上場を計画している。
CEOのMichael Geoghegan氏は金曜日に香港へ移る。HSBCホールディングス自体は、租税面での問題もあることからイギリス籍のままとし、香港への移動は計画していない模様だ。
イギリスFT.comでは次のような報道です。
HSBC chief to be based in Hong Kong
By Patrick Jenkins and Sundeep Tucker
September 25 2009 20:32
HSBC signalled on Friday its determination to expand in China and across Asia by moving Michael Geoghegan, its chief executive, from London to be based full-time in Hong Kong.
(和訳)
HSBCは、CEOであるMichael Geoghega氏がロンドンから香港へ移ることにより中国などアジアへの進出を拡大する、と発表した。
HSBCは、Hongkong and Shanghai Banking Corporationというフルネームからもわかる通り、イギリスの銀行とはいえ中国と関係の深い銀行です。香港がイギリスの植民地だったころに、ロスチャイルド一族のメンバーによって設立された銀行です。
CEO一人と、おそらく関係者数名、がロンドンから香港へ移動するだけですので、WSJの記事が書くようにジェスチャーの要素が大きいように思われますが、それにしても英断です。
欧米金融機関のアジア拠点が東京から香港や上海に移ることが、今後のトレンドになるのかもしれません。
日本が今の立場にあぐらをかいていられるのも今のうちかもしれません。外資企業誘致に努力する必要が今後でてくるでしょう。
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