JAL年金問題を受けて思うこと

 ※当記事は2009年11月27日に作成したものです。


日本航空(JAL)の再建のためには企業年金の減額は避けて通れません。

しかし、企業年金を受給している日本航空OBの中には、年金減額に反対している人もいるようです。企業年金減額の交渉や調整は難航しそうです。

この企業年金減額の報道を見ていて、考えたことがあります。

それは、「国や勤め先企業が提供する年金に頼ってはいけない」ということです。

日本航空OBの企業年金受給者は決して強欲な悪人ではありません。定年まで勤め上げた結果の当然の権利として年金を受け取って暮らしてきたところに、きゅうに年金減額を通告されて困っている、気の毒な方々です。

しかし、今後の日本の高齢化を考えると、24歳~60歳までの社員が稼ぐ収益で、60歳~90歳のOBに潤沢な年金を支払い続けるのは、無理があります。

しかも、日本国内の内需に依存する大手企業は、今後の収益の先細りは避けられません。

高齢化によるOBの増加と企業収益の先細りによって、企業年金の維持が難しくなる企業は、これから日本航空以外にも出てくるでしょう。

伝統ある(つまりOBやOB予備軍がたくさんいる)大企業ほど、企業年金の維持が困難になります。

これからは、企業年金に頼って定年退職後の人生設計をしてはいけません。

国民年金や企業年金はもらえないものと想定し、「もらえたらラッキー」くらいに考えておく方がちょうどよいでしょう。

自分で貯蓄し、投資し将来に備えることが大事です。


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