職場の「英語屋」必読の一冊 田代信一郎「英語が話せない、海外居住経験なしのエンジニア」だった私が、定年後に同時通訳者になれた理由」



田代信一郎「『英語が話せない、海外居住経験なしのエンジニア』だった私が、定年後に同時通訳者になれた理由 」

たまたま本屋で見かけて買ったのですが、大当たりの一冊でした。

著者の田代信一郎氏が本格的な英語学習をはじめたのは50代前半。そして60歳の定年退職後は、英語プロフェッショナルの究極の職業である、同時通訳者として活躍されています。

今の私の英語力は、仕事上での英語での会議やメールは特に支障なくこなすことができ、米国本社(私は外資系企業に勤めています)から偉い人が訪日し、日本の重要顧客を訪問する際には通訳アテンドをこなすこともできます。

そのため、「仕事をしていれば自然と仕事に必要な英語力は維持できるし、英語学習はいらないかな」と考えていたのですが、本書を読んで、考えが180度変わりました。

「せっかくここまで英語力を鍛え上げてきたのだから、この本の著者の田代氏ように、究極を目指そう」という気持ちになりました。

本書で特に目からウロコが落ちたのは、「オリジナル単語帳」です。田代氏は、自分の仕事や興味に関連するオリジナルの単語帳を、エクセルで作成することを推奨しています。それだけなら私も既にやっているのですが、田代氏が定年後約5年間の通訳者生活で作った単語帳の単語数は優に1万語を超えているそうです。

私のエクセル単語帳の数はせいぜい数百語といったところです。田代氏の単語帳は桁が2桁違います。

同時通訳者になるために必要な訓練である、サイト・トランスレーションやリプロダクションのやり方も本書では詳しく解説されているのですが、私にとって衝撃だったのは、「1万語以上の単語帳」に象徴される圧倒的な学習量です。

思えば、私が英語学習を本気で決意したのは、

「英語で出世できなくてもいい!英語の得意な地方支社のおっさんで終わってもいい!!!俺は英語をやる!!!!!」

と覚悟を決めた時でした。

あの時の英語への憧れが戻って来ました。「仕事のために十分な英語力」で満足するのでなく、さらにその先を追求したいという気持ちが湧いてきました。

職場で「あいつは英語ができる」という評価を受けている方々の中には、自分の英語力が完璧には程遠いと自覚しつつも、「職場の他の人よりもはるかにできるんだからいいや」と安住している方がおられると思います。

そのような職場の「英語屋」の方々にお勧めできる一冊です。


田代信一郎「『英語が話せない、海外居住経験なしのエンジニア』だった私が、定年後に同時通訳者になれた理由 」

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