【予備知識無しでもよく分かる経済解説22】世界一わかりやすい国内総生産(GDP)の解説(4)

今回は「予備知識無しでもよく分かる経済解説」シリーズをお送りします。

以下の記事の続きです。


GDPを分解する

ここで、ちょっと視点を変えてみましょう。

農家は50円の収入(所得)を得ました。これは餅屋さんが農家へ支払ったお金です。

餅屋さんは150円の収入(所得)を得ました。これはお客さんが餅屋さんへ支払ったお金200円から50円の米代を引いた残りです。

このように、「誰かが得たお金」は、必ず「誰かが支払ったお金」なのです。

ということは、国内総生産(GDP)は、「国内の人々の収入の合計金額」であると同時に、「国内の人々の支出の合計金額」でもあるわけです。

そして実際には、国内総生産(GDP)は、この「支出の合計」という観点から見ることが一般的なのです。

ではここで、国内総生産(GDP)を支出の観点から分解してみましょう。
 
 
国内で、お金を支出するのは、「人(個人)」と「企業(民間)」と「政府」の3つに大きく分けることができます。

そして、日本経済は日本国内だけで回っているのではなく、外国との輸出や輸入もしていますので、これらも含める必要があります。

具体的には、日本が外国に物を輸出し外国が日本に支払ってくれたお金の金額から、日本が外国から物を輸入しお金を外国に支払った金額を差し引いた金額(「純輸出」といいます。)をGDPに含めます。

輸出金額が輸入金額よりも多ければ、外国はトータルで日本に対しお金を支出してくれたことになりますので、純輸出はプラスとなり、GDPにプラスされます。

逆に、輸出金額が輸入金額よりも少なければ、トータルでは日本から外国にお金が出て行ったことになりますので、純輸出はマイナスとなり、GDPから引かれることになります。


以上をまとめると、支出の観点から見た国内総生産(GDP)は次のように分解できます。

  国内総生産(GDP) = 個人消費 + 民間投資 + 政府支出 + 純輸出(輸出 - 輸入)

この式は、日本や世界の経済を知る上でとても重要ですので、しっかりと覚えておいてください。

【解説】
 国内総生産(GDP)の分解式について
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国内総生産(GDP)は、個人、企業、政府、外国の支出の合計であり、次の式で表すことができる。
  国内総生産(GDP) = 個人消費 + 民間投資 + 政府支出 + 純輸出(輸出 - 輸入)
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