学校の授業で先生に当てられ発表した部分は、強く記憶に残りいつまでも忘れない、という経験は誰しもあるでしょう。一度人前で声に出して発表するだけで、何度も繰り返し復習するよりも、はるかに効率的に暗記できるのです。
この原理を応用したのが一分間アウトプット勉強法です。
暗記したい事項のポイントを、一分間で意味のつながる説明をする、というのが一分間アウトプット勉強法の概要です。
やみくもにアウトプットすればよいというわけではありません。例えば、世界史を暗記したい場合に、年表を上から順に読み上げても効果は高くありません。
アウトプットする前に、人が聞いて理解・納得できる内容にまとめなければなりません。
そのために、まず問いを立てます。例えば、「フランス革命は何故起きたのか?」という具合です。
次に、この問いに対する答と、答を解説するロジックを作ります。文章としてまとめる必要は無く、フローチャートのような図でも良いです。
本書では、「問い」を川のこちら側、「答え」を川の向こう岸に置き、その間に橋を架けるようなフローチャートを書く、「川のフォーマット」という方法が解説してあります。
この「川のフォーマット」はかなり使えます。一つの問い、それに対する明快な答、そして答をサポートするロジック、という3つの要素を漏らさずシステマティックに構成することができます。
また、問いと答を最初に明確にして、次に間をロジックで埋める、という方法をとるので、スタート地点とゴールが明確になり、直線的なロジックを作りやすくなるのです。
問いを立て、答を用意せずにロジックを作ろうとすると、考えているうちにロジックがあらぬ方向へさまよっていくことがありますが、これを避けることができます。
本書では、アウトプットを暗記の手段として紹介していますが、私はアウトプット自体が目的として大いに意義のあるものだと思います。学校の勉強でも仕事のための勉強でも、最終的には試験やプレゼンテーションなどの形でアウトプットしなければ意味がありません。であれば、最初からアウトプットを意識した方法で勉強するのは非常に効果的です。
一分間という小さな単位でのアウトプットをたくさんこなすことで、自分の中にアウトプットの引き出しが増えていき、アウトプットに自信を持てるようになります。
暗記力やアウトプット力を高めたい人は是非読んでみてください。
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