「過去を思ったり、未来を夢見たりしてはならない。今、この瞬間に精神を集中せよ。」 ― ブッダ
「過去や未来を思い煩わず、今に集中しろ」というのは、よく聴く言葉ですが、ブッダも同じ言葉を説いていたことに驚きました。紀元前のはるか昔からある原則なのでしょう。
私は、成功だらけの人生には程遠い、多くの失敗をくり返して人生を歩んできました。失敗しても「すぎたことはしょうがない」と自然と考えることができるようになりたいと願っています。
また、将来についても心配してしまいます。将来貧しくならないか、病気にならないか、事故にあわないか、などの心配が頭の中を支配し、どうにもならなくなってしまうことが時々あります。
仕事のボリュームが大きいときは、来週、再来週、来月のスケジュールを考えては圧倒されてしまうことがあります。
こんな風に、将来に対する心配事が頭を支配してしまったときは、「とりあえず今日できることをやったら家に帰ってご飯を食べて寝てしまおう」と考えるようにしています。
そして、今日することのTODOリストを作って、リストを消すことに集中します。全てを消せることも、消せないこともありますが、それは大事なことではありません。今できる具体的なアクションに集中することが、私にとって大事な事なのです。
TODOリストだけでは、未来のお金、病気、事故の心配をぬぐい去ることはできません。これらの不安がでてきたときは、「老子」を読むようにしています。
「老子」は「論語」と並ぶ中国古典です。「論語」はすぐれた官僚や国王になるための教訓が集められていますが、「老子」はこれとは対称的に、「無為自然」を説きます。俗世間での浮き沈みに気に病むのをやめ、全てを自然にゆだねてしまえ、というようなことがかかれています。「老子」を読むと心が癒されるような気がします。
「老子」を全て真に受けてしまうと、仕事も勉強もせずダラダラと生きるニートを肯定することになってしまい、社会生活を送れなくなってしまうので注意が必要です。「論語」を読んで社会人として有益な人物になることを目指しつつ、「老子」を読んで心のどこかに余裕を持つ、というのが良いバランスだと考えています。
ブッダ、「論語」、「老子」。全て紀元前の言葉なのですが、今の私に安らぎと指針を与えてくれます。
言葉というのはタイムマシンだなと思います。
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