陽明学というと、学校の日本史で習うのは「知行合一」という言葉です。
私は学校で、「知行合一とは、知(思想)と行(行動)は統一させなければならない、という考え方で、この教えに心酔した人物は、純粋思想に基づく過激行動をとった」と教えられました。
大塩平八郎の乱を起こした大塩平八郎、黒船に乗り込み密航しようとして吉田松陰、勝ち目のない西南戦争で切腹した西郷隆盛などです。
自衛隊にクーデター決起を呼びかけ失敗し、割腹自殺した三島由紀夫も陽明学の影響を受けており、「革命哲学としての陽明学」という文章を書いています(「行動学入門」の中に収められています)。
しかし、「伝習録」を読むと、過激行動を促す陽明学は「日本版陽明学」とよぶべきもので、本来の陽明学は、もっとのびのびとした、平和で穏やかな思想だったことが分かります。
私が本書の中で面白いと感じたのは、王陽明とその弟子の問答です。弟子が「論語」の一部分について、「ここのところがよくわからないのですが」と質問します。
大して難しい内容でもないのに何がわからないというのだろう、と思って読み進めると、王陽明が弟子に対し、ものすごく深遠な答えを返すのです。
「『論語』のあの文章にはこんな深い意味があったのか!」と驚かされることが何度もありました。
本書は、陽明学に関心を持つ人、論語をより深く理解したい人におすすできる一冊です。
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