宮沢賢治「銀河鉄道の夜」を読み返しました


宮沢賢治「銀河鉄道の夜」を読み返しました。

汽車に乗って銀河を旅する、子供向けのロマンチックな冒険物語だと思っていましたが、とんでもない勘違いでした。大人こそ読むべき本です。

少年ジョバンニは銀河鉄道に乗り、他人の幸いのために自らを犠牲にして死んでいった人たちと出会います。そして、あの有名な台詞。

「ぼくはもう、あのさそりのように、ほんとうにみんなのさいわいのためならば、ぼくのからだなんて百ぺんやいてもかまわない」

かなりジーンときて、読み進めるのを少しストップしてしまいました。こんな風に、美しい人と出会うことで子供が美しく成長する世界って、綺麗です。

本書では、様々な登場人物を通して、人と人の関係のありかた、科学と宗教の関係、というテーマに対する宮沢賢治の哲学が語られます。

哲学書のように物凄く深いことを言っているのに、平易で美しい台詞だけで書かれているのに驚きます。作者自身を賢く見せようとかの我欲を持たず、子供に向かって分かりやすく語りかけることだけに徹しているのです。

ジョバンニに生き方のヒントを与えた乗客たちの役割を、宮沢賢治自身が読者の子供に対してやろうとしているのだと感じました。

読んで良かったと、心底思えた一冊です。


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