今やレア本となった、野口晴巳氏「能率手帳の流儀」を読みました


野口晴巳氏「能率手帳の流儀」は、能率手帳を販売している日本能率協会社長の同氏が、自身の能率手帳とともに歩んできた半生を振り返ったものです。

2007年の刊行以来、多くの支持を得つつも絶版となり、今では中古本しか手に入りません。AMAZONの中古本もなかなか価格が下がらないというレア本です。

野口氏は37歳までは、手帳の営業マンをしていたのに自分の手帳はまっ白だったそうです。手帳に書き込みをはじめたのは、手帳関連の新規ビジネスで失敗し37歳で名古屋への転勤を命ぜられてから。

このような逆境を経て社長になるまでの間に、野口氏が手帳に何を書き、どう読み返し、考え、行動してきたかが書かれています。本書を読むと、「書く、読む、考える」ことの大事さを思い知らされます。

  
野口氏の飾らない誠実な人柄がにじみ出ているのも、本書の良いところです。

「今でこそキャリア設計などといわれますが、当時の私は37歳にもなってなんの将来設計もしていませんでした。」

「50を過ぎて本部長になっても、さらに取締役になっても、ふらふらと腰が定まっていませんでした。ようやく手帳の中味が変わってきたなと思えるのは、50も半ば、常務になってからです。随分と回り道をしたものです。しかし人生は遅咲きでいい。私はいつもそう思っています」

こんなことを正直に書けるようになるには、どれほどの人生修行を積めばよいのでしょうか。野口氏の温かい人柄を感じるとともに、長い人生経験を経た人間の凄みに触れた気がしました。

野口氏の手帳の使い方は、今日やったことや、考えたことをどんどん書き込み、読み返し、考え、また書き込む、という、記録と思考を中心としたものです。

他の手帳活用本がすすめるような、長期目標を設定し、計画を立てることには否定的です。大きな長期目標を持っている人なんてそういないし、目標を設定しても、たいていその通りにはいかないからです。

大きな目標でなく、ささやかな目標をたくさん書いて、できたら消す、を頻繁に繰り返すことを勧めています。そのほうが達成感を何度も味わえるし、生きていて楽しくなるからです。

また、無理なTODOリストを作り、「ねばならぬ」的なことで手帳をいっぱいにすると、気が重くなるのでやめたほうがよいという考え方です。

それよりも「やったことを」を書き、小さな達成感を感じることが、やがて大きな目標の実現につながる、と主張しています。

これらには私も賛成です。10年、20年にわたる長期計画をたてるのでなく、長くてもせいぜい1年間程度のほうが、「今年中にTOEIC700をとる」など、具体的な目標を立てられます。

あれもこれもとTODOリストにたくさん書き込むよりも、リストがなくても覚えていられる程度の量に絞込み、備忘としてのTODOリストにとどめるほうが、絞り込んだ行動を確実に実行することができます。

野口氏の経験に裏付けられた手帳のノウハウは、能率手帳でなくても、ノートや情報カードやデジタルデバイスでも応用可能です。是非読んでみてください。


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