米国は中国元に対しより厳しい態度へ

※当記事は2009年2月に書いたものです。当時の臨場感が伝わります。


 WSJより、"U.S. Stance on the Yuan Gets Tougher "(米国は中国元に対しより厳しい態度へ)という記事を紹介します。


23, 2009 U.S. Stance on the Yuan Gets Tougher

By MICHAEL M. PHILLIPS

WASHINGTON -- President Barack Obama's nominee for Treasury secretary accused China on Thursday of "manipulating" its currency, a sharp rhetorical break from the Bush administration's approach to Beijing's controversial exchange-rate policy.

(語彙)

Nominee:被任命者

Treasury secretary:米国財務長官

Accuse A of ~ing:Aを~だと非難する

Rhetorical:修辞的な、言葉の

Break from~:~からの脱却

Beijing:北京、中国政府

Controversial:議論の余地がある、問題となる


(和訳)

バラク・オバマ大統領により任命された米国財務長官は木曜日、中国は為替レートを「操作」しているとして非難した。中国政府の為替政策問題に対するブッシュ政権時代のアプローチとは、修辞的表現がはっきりと異なっている。


(コメント)

ブッシュ政権時代は、中国に対し中国元の切り上げを要求し続けていましたが、中国を「為替操作国」と認定することは避けてきました。

オバマ大統領が政権初日からこの問題を取り上げてきたのは意外でした。米国は各国に対する貿易赤字の中でも、中国との貿易による赤字が最大です。この問題に対し中国元切り上げを求める声が米国では大きいようです。一方で、中国は日本を抜いて最大の米国国債保有国となっています。

米国は金融危機と景気後退に対応するために、今後も国債の発行を避けられそうにありません。今回の発言に憤慨した中国では、「米国国債を売るべき」という声もでているようです。そうなると米国の財政リスクがクローズアップされ、米国長期金利の上昇につながり、財政出動のための資金調達が思うようにできないという状況にもつながりかねません。

米国は難しい舵取りを求められます。


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