スイス動物園の赤ちゃんカバがピンチ

 ※当記事は2009年3月17日に作成したものです。


WSJからの記事を紹介します。

Swiss Zoo Has One Too Many Hippos, So Little Farasi May Have to Go

スイスの動物園、飼育するカバが一頭過剰のため、赤ちゃんカバを手放す必要に迫られる


That Could Mean Euthanizing the Baby, But This Chubby Fellow Has a Legion of Fans

赤ちゃんカバを安楽死させる可能性も。しかしこの太っちょカバにはたくさんのファンが。


By JOHN W. MILLER

BASEL, Switzerland -- Farasi, a hippopotamus calf born Nov. 6, is 220 pounds of chunky, doe-eyed star power. The Basel Zoo's biggest attraction, he is so popular he was named "Swiss of the Year" for 2008, beating out tennis star Roger Federer.

スイス、バーゼル--昨年11月6日に生まれた子供カバのファラジは体重220ポンド(99キロ)の丸々太ったあどけない眼をした人気者だ。バーゼル動物園一番の人気者で、その人気ぶりにより「スイス・オブ・ザ・イヤー2008」に輝いた。

But this zoo is not big enough for two male hippos, even if they are father and son. And in Europe, a homeless hippo is a dead hippo.

しかし、この動物園は雄のカバを二頭飼育するには小さすぎる。たとえそれば父と息子であっても。ヨーロッパでは、家の無いカバは死ぬことににある。

American zoos believe in birth control or sexual abstinence for their animal populations. But Europe's 4,000 zoos take a more continental approach to reproductive rights: Animals should be free to do what comes naturally. The result is a surplus of offspring. And if zookeepers can't find a home for the babies, zoos typically kill them. Some carcasses are used for research. Meatier cuts -- and Farasi surely qualifies -- are thrown to the lions.

アメリカの動物園は、動物の個体数調節のための妊娠調節や性的禁断を正当なものとしている。しかしヨーロッパの4000ある動物園は、性と生殖に関する権利に対し大陸的アプローチをとっている。つまり、動物は自然の摂理に従う行為をを自由に行うことができる、という考え方である。その結果は、子供の過剰な増加である。

そして、もし、動物園職員がこの子供達の住み家を見つけることができなかった場合、動物園はこの子達を殺すことになる。殺された死骸は研究に使用される。切り刻まれた肉片は、(そしてファラジもおそらくは)ライオンに与えられることになる。


(語彙)

Calf:子供

Pound:ポンド。1ポンド=0.45キログラム

doe-eyed :あどけない眼をした

Chunky:丸々太った

star power:スタートしての力、人気者

believe in :~の存在の正当性を信じる

birth control :妊娠調節

sexual abstinence :性的禁断

reproductive rights:性と生殖に関する権利

Surplus:過剰

Offspring:子孫、子供

Carcasses:死体


オリジナル全文はこちら

http://online.wsj.com/article/SB123689895056312923.html



(コメント)

Farasiとはスワヒリ語で「馬」という意味だそうです。カバに馬と名づける感覚に対する是非は置いておいて、何ともいたましい問題です。動物好き+子を持つ親である私にとっては、とてもつらいニュースです。

日本でも野良犬や野良猫、ペットショップで売れ残った動物たちが日々処分されています。この赤ちゃんカバだけを救いたいと思うのは、「偽善だ」といわれればそれまでです。

「でも、何とかならないか」と思ってしまう感情は抑えられません。スイスや各国でも同じ気持ちの人はたくさんいるらしくFacebookのSave Farasi groupには15,000人のメンバーが集まっているそうです。


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