植田正也著「電通鬼十則」を読みました。

今となっては賛否両論となった、植田正也著「電通鬼十則」を読みました。

シェアNO1広告代理店である電通には、吉田秀雄社長が作った電通「鬼十則」という言葉があります。この言葉は英訳されて海外企業にも広まっており、GEのオフィスにも掲げられているそうです。

電通鬼十則の日本語・英語を紹介します。

1.仕事は自ら「創る」べきで与えられるべきでない
  Initiate projects on your own instead of waiting for work to be assigned.

2.仕事とは先手先手と「働き掛け」て行くことで受け身でやるものではない
  Take an active role in all your endeavors, not a passive one.

3.「大きな仕事」と取り組め。小さな仕事は己を小さくする
  Search for large an complex challenges.

4.「難しい仕事」を狙え。そしれ之を成し遂げる所に進歩がある
  Welcome difficult assignments. Progress lies in accomplishing difficult work.

5.取り組んだら「放すな」。殺されても放すな。目的完遂までは。
  Once you begin a task, complete it. Never give up.

6.周囲を「引き摺り廻せ」。引き摺るのと引き摺られるのとでは長い間に天地のひらきが出来る
  Lead and set an example for your fellow workers.

7.「計画」を持て。長期の計画を持っていれば忍耐と工夫そして正しい努力と希望が生れる
  Set goals for yourself to ensure a constant sense of purpose.

8.「自信」を持て。自信がないから君の仕事には迫力も粘りもそして厚みすらがない
  Move with confidence. It gives your work force and substance.

9.頭は常に「全廻転」。八方に気を配って一分の隙もあってはならぬ。サービスとはそのようなものだ
  At all times, challenge yourself to think creatively and find new solutions.

10.「摩擦を恐れるな」摩擦は進歩の母、積極の肥料だ。でないと君は卑屈未練になる
   When confrontation is necessary, don't shy away from it. Confrontation is often necessary to achieve progress.


どんな時代にも、どの国でも、どの業界でも、どの会社でも、誰にでも当てはまる、普遍性を持った言葉です。

日本語と英語の違いで面白いと思った点がありました。

日本語では、
「小さな仕事は己を小さくする」
「自信がないから君の仕事には迫力も粘りもそして厚みすらがない」
「でないと君は卑屈未練になる」
というような、ネガティブで叱るような表現を使うことで、「そうなってたまるものか」と読み手を鼓舞しています。

ところが英語版では、これらの言葉が削除されています。

欧米企業ではこのようなネガティブな表現は好まれないのでしょう。

電通「鬼十則」は普遍的な価値を持った言葉です。しかし、この本の質は、アマゾンに掲載されいてるカスタマーレビューを見ると分かる通り、ちょっと「アレ」です。

私にとっては、いろいろな意味で楽しめた本でした。


お読みいただきありがとうございました。
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