【予備知識無しでもよく分かる経済解説13】サブプライムローン・バブルの発生と崩壊2

今回は「予備知識無しでもよく分かる経済解説」シリーズをお送りします。



サブプライム・ローンの誕生

住宅ローンを組むには、定職についており一定の収入があることなどの条件を満たさなければなりません。

金融機関は貸したお金に利子を付けて返してもらわないといけないので、きちんと返す能力があるか、借り手を審査するのです。

住宅ローン会社の熱心な販売努力によって、十分な収入があるアメリカ人はあらかた住宅ローンを組んで家を買ってしまいました。

そうなると、住宅ローン会社に残されている未開拓市場は、今までに普通の住宅ローンの審査に落ちてしまった人達だけとなってしまいました。

そして住宅ローン会社は、普通の住宅ローンを借りることができない人にも貸すことができる住宅ローンを開発しました。

それが、「サブプライム・ローン」です。
 
「サブプライム・ローン」とは、普通の住宅ローンの審査に通れない人に、高めの金利でお金を貸す住宅ローンのことです。

住宅ローン会社は、「高めの金利でお金を貸せば、一部の人が住宅ローンを返せなかったとしても、残りの人から高い金利でお金を返してもらうことで、トータルでは儲けることができる」と考えたのです。

さらに巧妙なことに、多くのサブプライム・ローンでは、お金を借りた最初の数年間の返済額が少なくて済む仕組みになっていました。

これにより、「月々たったの○ドルでこんな豪邸に住めますよ!」という宣伝文句で大々的にサブプライムローンを勧めたのです。

数年後に月々の支払額が大幅に増えることは、あまり問題にされませんでした。

なぜなら、「住宅価格はどんどん上昇する」と信じられていたので、サブプライムローンの返済額が増える数年後には、買った家の値段が上昇して担保価値が上がるという前提で販売されていたのです。

返済額が増える頃には、持っている家の値段が上がったことで「あなたは今やお金持ちです」と判定され、サブプライムローンから普通の住宅ローンに借り換えることができたのです。

家の価値がものすごく上がっていた場合は、住宅ローンを普通ローンに借り換えるだけでなく、家の価格が上昇した分さらにお金を借りることもできました。借りたお金でアメリカ人は車やレジャー等の消費を存分に楽しみました。

どんどんお金を借りても心配する必要はありませんでした。持っている住宅の価格がどんどん上がるので、いざとなれば家を売れば借金は返せるのです。

こうして、「サブプライム・ローン」によって、アメリカ人は収入の低い人でも住宅を手に入れ、消費を謳歌することができたのです。

そして、2000年台中盤のアメリカでは住宅価格が上昇し、個人消費がどんどん拡大していきました。アメリカの消費が拡大することで、世界中の国々はアメリカ向けの輸出を増やし、世界中の景気が良くなりました。


【解説】
 サブプライム・ローンについて
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サブプライム・ローンとは、収入が低く、普通の住宅ローンの審査に通れない人でも借りることができる、審査基準の甘い(その代わり金利が高い)住宅ローンのこと。
サブプライムローンのおかげで、収入が低い人でもマイホームを持つことができた。
買った家の価値が上がり担保価値が増すことで、普通の住宅ローンに借り換え、さらに消費を楽しむためのお金を借りることもできた。
このようにして、アメリカの消費が拡大し、世界各国のアメリカ向け輸出が拡大したことで、世界中が好景気となった。
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