「古代への情熱―シュリーマン自伝 (新潮文庫)」
シュリーマンは語学の天才だと言われます。
人々が彼を天才と呼ぶその裏側には、「凡人は彼のように短期間で何ヶ国語も身につけることはできない」というあきらめが見え隠れします。
そのあきらめは間違いです。
シュリーマンが語学を身につけるためにやったことを実践すれば、どんな凡人でも語学を身につけることができます。
彼がやったことは次の6つです。
- 大きな声でたくさん音読すること
- ちょっとした翻訳をすること
- 毎日一回は授業を受けること
- 関心のある対象について常に作文を書くこと
- そしてそれを先生の指導で訂正すること
- 前の回に直した英文を暗記して、次回の授業で暗誦すること
これだけのことを毎日実行すれば、誰でも語学を身につけることができるはずです。
問題は、これら6つのシュリーマンが実行したことを、私達は実行できない、ということです。
シュリーマンと私たちの差は、才能ではなく、実行力・継続力なのです。
どうすれば実行力・継続力を身につけることができるでしょうか。
どうすれば、毎日単調な語学学習を続けるモチベーションを維持することができるでしょうか。
ただ単に、「いつか英語がしゃべれるようになれたらいいな」「いつかTOEIC700越えたらいいな」と思い浮かべる程度ではだめです。
もっと、具体的な目標を持たないと、つまらない英語学習を続けることはできません。「目標」や「夢」というような、生ぬるいものでなくて、もっと自分の中の、ドロドロした、根元的な「欲望」を自覚することです。
そして、自分の欲望を実現するためには語学を身につけなければならないのだ、と動機づけるのです。
シュリーマンの場合は、丁稚として下働きをしていた頃から具体的な「欲望」がありました。
「貿易商として成功して財産を作ったりアーリーリタイヤして、遺跡発掘に専念する」
ものすごく具体的な、自分に嘘をついていない欲望です。
シュリーマンは、丁稚時代に自覚したこの「欲望」をそのままトレースするかのような人生をおくりました。
鍛えた語学力で貿易商として財を蓄えた後、遺跡発掘に専念に大きな成果を上げました。
あなたの欲望は何でしょうか。
「英語を身につけて出世したい」(社会的欲求)
「英語を身につけて外資企業に転職し高収入を得たい」(金銭的欲求)
「自分が英語をしゃべるところを友人にみせつけたい」(集団的欲求)
なんでも良いのです。なぜを自分は英語を身につけたいのか、自分の正直な欲望を直視するだけでよいのです。
あとは、その欲望を実現するために、一心不乱に勉強するだけです。
あなたは自分の欲望を満たすために語学学習をしているのですから、一分だって無駄にするはずはありません。
シュリーマンも、一寸の時間を惜しんで語学修得に明け暮れました。
使いに行くときはいつも、雨が降るときでも、手に本を持っていって、少しでもそれを暗記した。郵便局で待っているときにも、本を読まないことはなかった。こうして私の記憶力は徐々に強くなった。そして三ヶ月後にはもう、あらかじめ三回注意深く読んでおけば、毎日どの授業時間にでも先生の前で印刷した英語の散文二十ページを、やすやすと言葉どおりに暗誦できるまでになった。
こういうやりかたで、私はゴールドスミスの「ウェークフィールドの牧師」とウォルタースコットの「アイヴァンホー」を全部そらで覚えてしまった。
ここまでの境地に至れば、語学を身につけることなど難しいことではありません。
関連記事
【シュリーマンの英語学習法】
「古代への情熱―シュリーマン自伝 (新潮文庫)」
←お読みいただいた後のクリックありがとうございます!励みになります!
コメント
コメントを投稿