【予備知識無しでもよく分かる経済解説23】世界一わかりやすい国内総生産(GDP)の解説(5)

今回は「予備知識無しでもよく分かる経済解説」シリーズをお送りします。

以下の記事の続きです。【予備知識無しでもよく分かる経済解説22】世界一わかりやすい国内総生産(GDP)の解説(4)


今回は名目GDP実質GDPの違いにフォーカスして分かりやすく解説します。


まず、国内総生産(GDP=Gross domestic product)の意味を簡単におさらいしましょう。

例えば、日本にパン屋しかないと仮定しましょう。

このパン屋が一年間に100個のパンを作り、一個100円で売ったとすると、合計10,000円分のパンを作ったことになります。
 
 
すると、日本の国内総生産(GDP)は10,000円ということになります。

このように、国内総生産(GDP)とは、ある国で作られた物の価値の合計を表しています。

では、名目GDPと実質GDPの違いを見ていきましょう。

大まかに言うと、「名目GDPは金額、実質GDPは数量」とまとめることができます。

上のパン屋の場合では、「名目GDPは10,000円」、「実質GDPはパン100個」となります。

一年後、このパン屋が200個のパンを作ったとすると、

実質GDPの成長率は、

 200/100 - 1 = 100%

となります。実質GDP成長率100%です。

ここで、実はパン屋はパンの値段を100円から50円に値下げしていたとします。

すると、今年は200個のパンを50円で売っているので、合計200×50=10,000円分のパンを作ったことになります。

すると、名目GDPの成長率は、

 10,000/10,000 - 1 = 0%

となります。去年10,000円分のパンを作り、今年も10,000円分のパンを作っているので、金額で見る名目GDPは全く成長していない、ということになります。


逆に、パンを作る数は去年と同じ100個でも、パンを値上げして200円にすると、今度は、実質GDPは全く成長せず、名目GDPは2倍に成長する、ということになります。

この場合、見た目には経済が2倍に成長したように見えて、日本全体で作り、食べたパンの数は全然増えていません。

私たちの豊かさを測る上で大切なのは、「パンをいくつ作り、食べることができたか」という実質GDPの方です。

そのため、ニュース等では実質GDPの方を取り上げることが多いのです。


これで世界一わかりすい国内総生産(GDP)の解説シリーズはおしまいです。お読みいただきありがとうございました。説明が下手な所もあったかと思いますがご容赦ください。

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